2022/02/10 20:15
お預かりしているランドセルを解体した画像です。使うかどうかわからないところまで解体するには意味があります。大切な思い出が詰まったランドセルは世界に1つしかない宝物であると思います。作り手の姿勢をお見せするためにも解体を儀式のように進めていくようにしています。ランドセルリメイクは完成品だけに注目されがちですが、TUDAは解体にも付加価値をつけていきたいと考えています。
本日解体したランドセルは土屋鞄の製品でした。かぶせ、マチ等メインの部分は本革が使われていました。
時々、かぶせに貼っている芯材を剥がすのにとても苦労することがあります。特に革の床面(裏面)にしっかり接着剤が塗布されていた場合、ただ引っ張るだけでは剥せません。力ずくで行うと素材が変形したり破損することもあります。
今回は溶剤スプレーを少しずつかけながらゆっくり剥がすことにしました。溶剤スプレーもかけすぎると、素材の表面にも影響を与えてしまう可能性があるので、慎重さが必要になります。「気合いでいってまえ」的な気持ちになりがちですが、気合いはあてにならない仕事です。チャンスは1回きりです。
4分の1剥がすだけで30分は使いました。
終わりに近づいてきたときは握力がなくなっていました。
「剥がしにくかったら、そのままの厚さで使ったら?」と思うかもしれませんが、まったく仕上がりが変わってきます。
薄くできればその分見えないところに細かい仕事ができるようになります。きれいなフォルムにするための仕事です。
硬すぎてあきらめそうになりましたが、なんとか解体ができて良かったです。しかし、今までで剥せないケースもあり、そのままの厚みでお作りしたこともありました。どうにもこうにもいかない場合もあることをご了承下さい。
※ランドセルリメイクは夏頃まで受付を停止しています。もうしばらくお待ちください。