2021/10/10 21:21

ランドセルリメイクのお問い合わせが増えて本当にありがたいです。

いつご卒業かをお伺いすると10年以上保管されておられるケースも多いです。保管期間が長くなるほど経年劣化が進んでいます。

まずはお家のランドセルのかぶせをつまんでピリピリとひび割れがするかご確認下さい。製作するアイテムによってひび割れが目立ったり、製作中にボロボロと剥がれる可能性もあります。そのことは必ずご了承いただいてからご依頼をお受けするようにしています。

少し説明させていただくと、加水分解が起こっています。高分子が分解して割れてしまいます。10年以上前、TUDAがメーカーで働いていたころ、商品に使う素材の品質検査を外部機関に依頼する業務もしていました。そのとき取引先から加水分解への耐性を調べてほしいと依頼を受けたことがあり、どういう現象なのかを初めて知ることになりました。

よく合皮のバッグやスニーカーの底がボロボロになってきたということがありますね。その場合はポリウレタン樹脂が劣化している可能性があります。ポリウレタンは空気中の水分などにより加水分解され、強度が低下する性質を持っています。完全に防ぐことは不可能ですが、適切な温度、湿度の中で管理された場合は劣化を遅らせることが可能です。ポリウレタンの質によって劣化の速度が変わってきますので、特別な試験にかけて評価を受けることで、各社は使用するかどうかの判断をしています。

まさにランドセルの素材であるクラリーノも人工皮革であり、ポリウレタン樹脂が使用されています。クラレさんのホームページでは、ナイロンまたはポリエステルを素材とした不織布にポリウレタン樹脂を含侵させ、その後水に浸して固めて作っていると記載されています。

本革製のランドセルでない限りはこの加水分解が起こる宿命なのです。

今年は長期保管のランドセルが続きましたので、わかりやすい例としてご紹介するために写真をとっておきました。

例えば山折りする形の部分があればもう想像できますね。名刺ケースや財布などは残念な仕上がりになります。ただ、そう言ってしまえばできるアイテムが限られてきます。

その場合、負担がかかる部分にこちらでご用意した本革を使用することで製作が可能になります。ただ、全くの同色をご用意はできませんのでご了承下さい。

ランドセルリメイクは通常の製品とはまた違うところに価値があります。ボロボロになりすぎてもいけませんし、しっかりユーズド感を残すことも必要であると思います。

※ランドセルリメイクについては詳細ページをご覧いただき、まずはお問い合わせ下さい。