2021/06/11 19:43


新ラインnaderuでは革友禅を使ったアイテムを作っていきます。

レギュラーで使うものではないですが、柔らかさや、加工しやすいかどうかを確認するために財布を製作してみました。

職人なら、バッグでも財布でも靴でも何でもできるんでしょという方がたまにおられますが、まったく技術が違うものです。私はバッグがメインですが、ビジネスバッグなどのかっちりしたものや、口金を使用するもの、スーツケース等は専門外で、製作できません。あくまで袋物の技術であり、TUDAというブランドのための技術です。靴については全くわかりませんし、道具もありません。TUDAにとっても靴は「買う物」です。

ただ、財布は以前から実物から型をとり、組み立ての練習をしています。極めるつもりはないですが、作りが分かっているほうが、いざ外注する際も伝えやすいと考えているためです。今回、三つ折り財布を初めて作りましたが、要領がわかれば刃型を用意してもよいかと思っています。内装用のヌメ革だけでもセットで抜いて在庫しておけます。あくまで売れ始めたらの話ですが。

革友禅の革は一枚一枚仕上がりが違うのが基本です。例えばプリントなら顔料ですので、一度作った色が大きくぶれることはないと思います。革友禅は染料を使い、自然素材の革に色を入れていきます。革の組織との相性などで個体ごとに染料の入り方が変わってきます。同じロット内でもそれぞれ違った表情になります。この素材は従来の流通システムの中では色ブレといわれてしまうおそれがあります。革について色ブレという事自体どうかと思うのですが・・・

おそらく画像の素材も、次回全く同じ仕上がりのものが手に入ることはないでしょう。

しかし、それも付加価値ととらえて積極的に使用している会社があることも事実です。必ず尖った商品になると思います。