2021/02/03 07:06
いつもご覧いただきありがとうございます。
近日リリース予定のシステム手帳の2ndサンプル製作しました。
インナーに関しては、バインダー金具のあて革の位置、端の漉き具合、捻引き、ロゴの箔押し等が変更点です。アウターではベルト部分の捻引き、革友禅をコバ仕様からヘリ返し仕様に変更しました。
特に熱量が必要だったのはヘリ返しの部分です。革友禅はやはり切りっぱなしでは安く見えてしまいます。そのため、コバ塗りの方法もありますが、手触りが良くないのです。全体のソフト感を統一するため、
ヘリ返しをして断面を見せないということにいたしました。
※写真では右側が2ndサンプルです。
少しミシンに覚えがある方はわかるかもしれませんが、アウターとインナーを縫いあわせるステッチの見え方が違います。
1stはアウター側を表に、2ndはインナー側を表にして縫製しています。写真のインナーのステッチは左側が下糸(汚い)、右側は上糸(綺麗)が見えています。
何故そうしているかといいますと、この革友禅という素材は柄のある表面にこれでもかといったパンチ力があるため、そこに見る側の視線が集中するのです。もし、よくある無地の革の場合、必ず一番にステッチに目がいってしまいます。アウターはそこしか見るところがないのです。もちろんこういう小物の部類はステッチが真っ直ぐでないと不細工にみえます。特にバイヤーさんはそのあたりを厳しくチェックされているのではないでしょうか。
革友禅のアウター部分はステッチが目立たないかわりに、インナー部分のヌメ革のほうは逆にステッチに目が行きます。アウターが抜群であっても、いざシステム手帳を開いて、ステッチがきれいでないのはかなり残念だと思います。
乱暴な言い方をすると、素材の特徴を活かして、表側のステッチは捨てたほうが良いということです。
糸には上下があります。ミシンの構造上、両方奇麗にというのは実現しません。
この『捨てステッチ』はオリジナルとしたいです。決してふざけているわけではないです。
ふざけていないつもりでしたが、そこに集中しすぎて、アウターの上下を逆さまに貼ってしまったまま、気づかずに縫い合わせてしまい、左利き用のシステム手帳になってしまいました・・・ペン差しは右側のままですが。最終で失敗する事例ができて逆に良かったです。
商品化した際はオプションとして、左利き用があっても良いかも知れません。
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