2021/02/02 07:40


出会いは昨年末でした。大阪の下町、生野区に世界に一つだけの革素材を開発している株式会社タケグチさんがございます。なんと革に友禅染めを施し、特殊な凹凸を出すという唯一無二の技術をお持ちです。ものづくりのまちの商店街で異彩を放つ存在です。

 

ショップをされているので、実際に素材を見て触ることができるのです。私は、幸運にも工房が近くにあり、よくお伺いするようになりました。


なんともいえない手触りに感動します。ずっと触っていたくなる素材です。この素材は、新しくTUDAのラインを作って、この感動を広めていきたいという気持ちになりました。

私はとくに市松模様の凸凹に魅了され、商品にしたい想いが強いです。

 

もともとはバッグメーカーをされておられたタケグチさんですが、商品の一部の染めを依頼していた染元さんが廃業されるのをきっかけに、設備すべてを引き継ぎ、染め一本で勝負することを決められたとのことです。

 

染元さんの仕事を横で見ておられたとはいえ、ご自身では初めての仕事になり、試行錯誤を重ねていた中で、凸凹になった失敗作を見て「これは面白い」という方がおられたのです。

 

その失敗作の再現ができない日々が続くことになるのですが、研究を重ね、ついに、オリジナルのレシピで安定的に、また自由自在に凸凹を出せるまでになったそうです。

 

この凸凹を求めて、大手企業や海外からのラブコールが絶えないのです。

社長様は「大手さんは注文量がすごいが、スポット使いが多く、続くことがほとんどない。少量でも情熱をもって長く続けてやっていただきたい。また若い方にこの素材を知っていただきたい。」とよくお話をされてます。とても人情味のある方で、お伺いするたび、貴重なお話をしていただきます。

 

革友禅を使うのであれば、友禅の歴史も一通り語れないといけない。友禅染めというのはあくまでも「技法」のことで柄のことをいうのではないということも教えていただきました。

 

皆様が知っておられる友禅といえば、京友禅、加賀友禅、東京友禅が有名で、正絹に染めるイメージであると思います。その3大友禅もそれぞれ描く柄、製作工程は全く違ったものです。

 

革友禅は友禅染めと全く同じ技法を用いて、独自の柄を表現されたものです。

 

以前からステーショナリーを増やしていきたいと思っていましたので、システム手帳のサンプルを進めております。SNSでもシステム手帳の投稿は多いですが、革製に関してはエイジングを楽しむため、無地がほとんどです。TUDAも基本は無地のアイテムですが、新たなラインもつくり、独自のポジションをとっていきたいと考えております。

 


革友禅の良さを最大限に活かすため、社長様にもアドバイスをいただきながら、唯一無二の商品としてリリースしたいと思います。