2020/12/17 06:00
新企画は印刷の工程からスタートするため、革も紙と同じように平面にしておかないといけません。業者さんにテストでインクの吹き付けをしていただき、OKであれば本生産スタートとなります。
革は仕入れる際、紙管に巻かれているため、張りのあるヌメ革はかなりの巻き癖がついており、手で押さえないと裁断もできないようになっております。逆にクロム鞣し等の柔らかく仕上げた革は扱いやすいです。今日は印刷テスト用の革の巻き癖をとるため、重しを置いてならしました。
通常は型紙を置いた上に重しをのせてからの裁断になります。裁断前にしっかり革包丁を研がないと、ヌメ革のような硬い革は何回も刃を入れないと切れないことがあります。
きっちり研いでさえいればカッターとは比べ物にならないくらいの切れ味を発揮します。
実は、私はバッグメーカーで勤務していた頃、革包丁は使っておらず裁ち鋏とカッターが道具でした。ほとんどが布、合皮の商品で、たまに高価格帯のラインで革素材があるという感じでした。
切りっぱなしの部分(コバ)をみせる商品よりも内縫い仕様の商品が多かったということもあり、裁断面にこだわることはなかったです。サンプル製作も分業であったため、そのあたりに時間をかけていたら縫製担当まで仕事がうまく流れていかないということにもなります。
そのときはそれで正解であったと思います・・・
TUDAはサンプル製作、本生産どちらもしております。
お客様に納得していただけるような仕事をしていきたいと思っておりますので、丁寧を意識して製作しておりますが、裁断に関しては、どうしても手切りでは難しい仕事は金型を作って外注という選択もしております。
作り手が満足いくまでやるというより、良い仕上がりのものをお客様にできるだけ早くお届けするという指名感をもって精進してまいります。