2020/11/22 07:30
2月、姫路のトップタンナー山陽さんにて工場見学&講演会に参加。
一般的には入れないような製造現場に足を踏み入れることができ、貴重な経験になりました。
革を使って商品を作っている身としては一番見なければいけないと思っていた場所です。
大規模な設備がそろってはいますが、非常に長い工程の中で常に人の手が入らないとできない仕事であります。
それも楽な仕事ではないです。
だから高品質な革が作られるのです。
そこからあらゆる業界の素材として出荷されていきます。
ただ、どういう工程を経て自分の手元に届くのかはなかなか消費者の方へ情報が届きにくいのが現状です。
消費者の方もそこまで知りたいかといえばどちらでもよいかもわかりませんね。
しかし、素材について理解を深めていくことができればこれからの買い物も変わってくるのではと私は思います。
例え話ですが、魚が切り身で泳いでいると勘違いするような感じで(大げさですが)革も一定幅のロールで作られていると思っている方もおられるかもしれません・・・
動物から剥いだ皮を乾燥させといたらできるんでしょと思っている方もなかにはおられるかも・・・
皮革産業は食肉産業の副産物(あまりもの)の産業なんです。例えば牛は鳴き声以外すべて利用できると言われています。
タンナーさんには北米から塩漬けされて届いた皮(原皮)が冷蔵庫に積まれており、市場の精肉店の香りがしました。
昔は外に野積みでウジがわくのは日常の事だったようです。案内していただいた担当者の方も入社してしばらくご飯が食べられないほどのショックを受けたとお話されておられました。
この『皮』が『鞣し』を含めた長い工程を経て、高級な素材である『革』になります。
塩漬けの原皮画像載せておきます。『皮』の鞄を作ってほしいと言うことは、この状態で縫製して作る事になりますのでお気をつけください(笑)